FC2ブログ

気になるフレーズ――この本、この1行

category: 01/ジャーナリスト魂・編集者萌え  1/10

半藤一利◎半藤一利 橋をつくる人    …………☆“昭和史の語り部”がエピソードだらけの半生を語った

 その頃、8月号だからと思いついた企画が、どのように戦争を終結したのか、(ポツダム宣言が日本に届いた)昭和20年7月27日から8月15日にかけての終戦の流れについて当事者約30人が語る――という大座談会です。 大勢集まれば、あっちで私語、こっちで私語が始まって、まとまった話なんか成立しないと反対の声もあがったが、やってみなきゃわからないと無理に決行したんです。〔…〕蓋を開けてみると、これこそ案に相違して、みんな真...

  •  0
  •  0

河北新報社報道部◎止まった刻――検証・大川小事故    …………☆石巻の廃校2小学校の2人の校長の言動を風化させてはならない

  11年6月4日の第2回遺族説明会で、市教委は津波襲来時の様子をこう報告している。「津波はごい勢いで子どもたちをのみ込んだり、水圧で飛ばしたりした。後ろの方で手をつないでい低学年の子どもたちも津波にのまれた。学校前は波と波がぶつかるように渦を巻いていた」 児童は上級生を先頭に校庭を出た。校舎の見回りを終えた教務主任は「列の最後尾に付いた」と証言している。目撃者は誰か――。 当時、現場にいて助かった学校...

  •  1
  •  0

尾崎孝史◎未和 NHK記者はなぜ過労死したのか …………☆企業や役所の組織へ鋭く切り込んだきた記者たちは、部下の女性記者の過労死に直面し、管理職として組織防衛に立つ“リーマン・ジャーナリスト”としての貌をあらわにする

N記者は佐戸記者の両親に対してこんな思いを伝えている。「NHKの正職員であるというだけで、それはもう、とてつもなく社会的にメジャーというか強い側にいるかのような万能感があるんですよね。特に報道部門では。NHKというところで番組を作りニュースを出したら、まるで世の中を動かせているかのような。『だから、長時間労働して当たり前だろ』って。 未和さんが過労死だったというニュースが出たあとに、同僚がぽろっと言いま...

  •  0
  •  0

神戸新聞「次の本へ」取材班◎次の本へV3しごと編    …………☆西東三鬼『神戸』から稲垣足穂『明石』へ。そしてチェック機能の働かない地元新聞と、明石市民のメンタリティ批判へ

 その後結婚し、神戸に移り住むと、今度は明石を思うようになった。そんな望郷の念を満たしてくれたのが、稲垣足穂の『明石』。 お城の櫓、波止崎の高灯籠、赤い腹の汽船、人丸山のどんぐり……。どのページを開いても、懐かしい風景が目の前に広がった。「同じ明石で育った足穂の語り口には、古里ゆえに愛憎半ばするところがある。ここの人間には影がないとか、芸術家は一人も出ていないとか。地元の者にとっては痛いところを突い...

  •  0
  •  0

発掘本・再会本100選★噂の真相一行情報大全集|噂の真相編集部 …………☆32文字による“1行情報”は、ツイッターやフェイクニュースの流行よりも四半世紀前の1980年に始まった

 この一行情報の掲載が『噂真』で始まったのは創刊2年目に入った時である。表紙デザインを手掛けてもらったブックデザイン界の超大御所ともいえる杉浦康平さんのアイデアによるものであった。 杉浦さんとしては、デザイナーとしての主張からいっても、表紙だけでなく、目次や本文記事のデザインやレイアウトまで統一した一貫性で制作したいという願望があるはずである。しかし、〔…〕杉浦さんとしては、そんな低予算では目次や本...

  •  0
  •  0

鈴木耕◎私説集英社放浪記――「月刊明星」「プレイボーイ」から新書創刊まで   …………☆ここから先は誰になんと言われようが屈しない。そういう一線を持つ者が編集者である

 出版というのは「紙つぶて」だと思う。 権力や権威に抗うこと。右であれ左であれ、世を謳歌する者への紙つぶてであること、それこそが雑誌ジャーナリズムの存在意義であり、それを理論づけるものとしての書籍がある。 そうでなければ、何のための出版か、編集か。 紙つぶては無力かもしれない。石つぶてはどの痛みもない。紙つぶてを投げつけられても、権力はまるで痛痒を感じないだろう。それでも、振り向かせるくらいの風は...

  •  0
  •  0

後藤正治◎拗ね者たらん 本田靖春 人と作品 …………☆同世代、弟、息子の世代の編集者たちが最も畏敬した男

〔藤田康雄は〕連載担当となり、原稿とゲラの受け渡し、資料類の届けと、月に幾度か代々木病院もしくは埼玉のみさと協立病院に足を運んだ。 みさと協立の場合は半日仕事となるが、本田のもとに出向くのは少しも億劫ではなかった。書き手への「リスペクトの念」があった。〔…〕 そんな合間に、本田がふっと真顔になっていうことに注意していた。いま聴いておかないと後々もう聴けない……と思っていたからである。「藤田君なぁ、作...

  •  0
  •  0

涸沢純平◆やちまたの人――編集工房ノア著者追悼記続   …………☆ママとともに客も店も歳をとるように、出版社も著者や読者とともに歳をとる。

 大阪から来ました編集工房ノアといいます。〔…〕 わが社がありますのは、大阪市北区中津三丁目で、中津と言いますのは、大阪北のターミナル梅田の北側の町なのですが、繁華な梅田とは大違いで、淀川の土手に突き当たる吹き溜まりといった裏町です。わが社はさらにさびれた路地裏にあり、ささやかに仕事をさせてもらっています。 そんな中津ですが、佐伯祐三の生家であるお寺が障害者の福祉施設をして今もあります。「女の一生...

  •  0
  •  0

宮田 昇◆出版の境界に生きる――私の歩んだ戦後と出版の70年史 …………☆早川ポケミス誕生秘話

そこには文芸評論家瀬沼茂樹のアドバイスがあった。〔…〕 瀬沼茂樹は、早川が昭和26年に出した[世界傑作探偵小説シリーズ]が失敗したのは、ハードカバーで出したせいだ。もっと手軽に読める形で出せばよかったのではないか、と。〔…〕 編集会議では、この瀬沼茂樹のアドバイスを生かして、ミッキー・スピレインの『大いなる殺人』を第1弾に、過去に出した作品の再刊も含めて、軽装判の新しいミステリーシリーズを始めることを決...

  •  0
  •  0

早瀬圭一◆老いぼれ記者魂――青山学院春木教授事件45年目の結末  …………☆興味を引くほどの魅力ある加害者・被害者ではないのに、なぜ追うのか。

事件は最高裁まで争われ、石川〔達三〕さんの連載が始まる前年、昭和53年(1978) 7月12日に春木元教授の懲役3年の実刑が確定し、一応、決着していた。 入手した資料を前に、現役記者のころから心の片隅に引っかかっていた春木教授事件に対する思いが、私のなかで膨らんでいった。  だが、都心の有名大学を舞台にしたこの事件の裏には、被害者とされる女子学生の不可解な言動や教授間の派閥争い、のちに「地上げの帝王」と呼ばれ...

  •  0
  •  0