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気になるフレーズ――この本、この1行

category: 12/そこに本があるから  1/6

中島京子◎夢見る帝国図書館 …………☆上書き、重ね書き、オーバーライトという手法によって日本初の図書館が甦る物語

「上野の図書館のなにを書くんですか?」「小説」「小説?」 〔…〕「ただ、全体的には、上野図書館が主人公の小説みたいなイメージなの」「図書館が主人公?」「そう。図書館が語る、みたいな」「図書館の一人称っていうこと? 吾輩は図書館である、みたいな?」「でも無理。あたし、書こうとしたら、文章書くの嫌いだったってことを思い出した」「もとの発想に無理があったのでは。猫ならまだしも、建ったまま動かない図書館では小説...

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津野海太郎◎最後の読書  …………☆病に倒れた鶴見俊輔は、書けなくても、しゃべれなくても、3年半、本を読み続けた

というのも、2年ほどまえに、鶴見俊輔氏の『「もうろく帖」後篇』という刊行されたばかりの遺著を読んだ。くわしく冒頭の章でふれたので、そちらを見ていただくとして、とにかくこの小さな本によって、病に倒れた鶴見さんが亡くなるまでの最後の3年半、書くことも話すこともできずに、ただ黙々と病床で本を読みつづけていたと知り、その事実を想像ももしていなかったほどはげしく揺さぶられたのです。うーむ、鶴見さん、幼年期のマ...

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☆読みたい本が続々、……次々読んだ――2018年■傑作ノンフィクション★ベスト10

☆読みたい本が続々、……次々読んだ――2018年★傑作ノンフィクション ベスト10    2017年11月から2018年10月の1年間に刊行されたノンフィクションのなかから10点を選んだ。 ノンフィクションが読まれない→売れない→書かれない時代が続いている。といいたいところだが、ことしは“豊作”だった。また「ノンフィクションの中心は“評伝”にならざるを得ない」という当方の予想も外れた。うれしい1年だった。...

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沢木耕太郎◆銀河を渡る 全エッセイ …………☆読んでしまった本とまだ読んでいない本、さて、どちらを残す?

 あるとき、年長の作家にこんなことを訊ねられた。「もし家に本があふれて困ってしまい処分せざるを得ないことになったとしたら、すでに読んでしまった本と、いつか読もうと思って買ったままになっている本と、どちらを残す?」〔…〕「当然、まだ読んだことのない本だと思いますけど」 すると、その作家は言った。「それはまだ君が若いからだと思う。僕くらいになってくると、読んだことのない本は必要なくなってくるんだ」 そ...

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2017年■傑作ノンフィクション★ベスト10

    ことし2017年に刊行されたノンフィクションのなかから10点を選んだ。  ノンフィクション全般に目配りするのではなく、当方の“好み”を色濃く反映させた。         新郷由起★絶望老人   ☆単に年を重ねただけで誰もが“人生の達人”になれる訳ではない。宝島社|2017年3月◆ 仕事がなくなって、エロや色恋も抜け落ちた無趣味の連中は、途端に生気が抜けた廃人のようになっちゃっ...

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2017年■傑作ノンフィクション★ベスト10 …………☆当方の“好み”を色濃く反映させて選んだ“おすすめ本”

2017年■傑作ノンフィクション★ベスト10 ことし2017年に刊行されたノンフィクションのなかから10点を選んだ。 ノンフィクション全般に目配りするのではなく、当方の“好み”を色濃く反映させた。  新郷由起★絶望老人☆単に年を重ねただけで誰もが“人生の達人”になれる訳ではない。宝島社|2017年3月◆ 仕事がなくなって、エロや色恋も抜け落ちた無趣味の連中は、途端に生気が抜けた廃人のようになっちゃって、街には“生ゴミ”のように...

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レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳★プレイバック――――☆村上春樹vs.清水俊二、翻訳対決

 僕がレイモンド・チャンドラーの『プレイバック』を翻訳しているというと、大抵の人は同じ質問をした。「それであの部分はどう訳すんですか?」と。まるでそれ以外に、この小説に関する話題は存在しないかのように……。「あの部分」というのは、もちろんあの決めの文句のことだ。「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」〔…〕 どなたの訳もそれぞれの思いがあるわけで、さあ、僕はどう訳せばいい...

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高島俊男★お言葉ですが… 別巻7 本はおもしろければよい

 この『図書』で自然と岩波精神、言わば「イワナミズム」を刷りこまれたと思う。〔…〕*それまでは、幼いころから、本はおもしろい、おもしろいから大好き、であった。おもしろくない本も多々あるが、それは読まないまでのことである。それでどうということはない。*ところが岩波は、「古典」「名著」を読め、そして「教養」を身につけよ、と教える。*こちらは、病気になったことのない、バイ菌に接したことのない無抵抗の体の...

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発掘本・再会本100選★ノンフィクションの言語|篠田一士

 松本氏の連作、『日本の黒い霧』が書かれる。 これは、名実ともにノンフィクション言語で書かれ、内容のうえでも、従来、個人の足と目だけを使った、報道記録、すなわち、ルポルタージュとも戴然、境を分った、まさにノンフィクション文学に新紀元を画す問題作というべきもので、今日のノンフィクション文学の源泉のひとつとして、その重要性は、もっともっと認識されるべきだし、同時に、もっともっと論議されて然るべきだろう...

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2016年■おすすめ傑作ノンフィクション★ベスト10

 当方、今年は体調を崩し、ブログを半年休んだ。またツイッターも140字という呪縛に勝てず断念した。が、なんとか今年も傑作ノンフィクション★ベスト10を選んだ。2015年12月から2016年11月までに刊行されたもので、順不同。三浦英之■五色の虹――満州建国大学卒業生たちの戦後★ 戦争や内戦を幾度も繰り返してきた中国政府はたぶん、「記録したものだけが記憶される」という言葉の真意をほかのどの国の政府よりも知り抜いている。 ...

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