安田浩一/山本一郎/中川淳一郎□ネット右翼の矛盾――憂国が招く「亡国」
04/政治の品格 - 2013年07月12日 (金)
山本 いや、韓国は韓国で良くないんです。やつらもやっていることは結構ひどい。文化的にも国際世論としても、韓国が日本を攻撃しているのは事実です。
韓国は国として予算をつけて、日本人を貶める活動に従事させる仕組みを作っている。〔…〕
だから、ネット右翼は日本国内の在日がどうのといった些末な問題ではなく、〔…〕韓国が余計なことをして日本の風評を下げているという事実だけをまず取り上げて、批判して欲しい。
在日の問題なんて、せいぜいパチンコくらいのものですよ。でも、ネット右翼が警察を批判しているのを聞いたことがありませんから、彼らは在日問題の本質もわかっていないんでしょう。
――第4章 ネット右翼の正体
□ネット右翼の矛盾――憂国が招く「亡国」│安田浩一/山本一郎/中川淳一郎│宝島社│ISBN:9784800204707 │2013年02月│新書│評価=○
〈キャッチコピー〉
「ネット右翼」。反韓、反マスコミ、反エリート……彼らの論調は、一見、非常に論理的な意見に見えますが、実は矛盾に満ちています。彼らのホンネがどこにあるかを、ネットジャーナリズムの旗手3人が分析、明快に解き明かします。
〈ノート〉
上掲は、VANKのこと。“韓国を正しく知らせる運動をネットを通して行う”韓国の若者のNGO団体。サイバーストーカー集団との批判がある。VANK自身は「民間外交使節団」と称しているが、韓国政府から公金が支出されている。「独島は韓国のものである」と論理的に英語で説明できる者が上級会員となる、という。日本のネット右翼も英語を勉強し、国際宣伝活動をせよ、と本書で揶揄されている。
第1章 ネット右翼のリアル・安田浩一
――「左翼だろうと労働組合だろうと、あんなに恵まれた人たちはいませんよ。そんな恵まれた人々によって在日などの外国人が庇護されている。差別されてるのは我々のほうですよ」
これこそがネット右翼と呼ばれる人々に共通する「被害者感情」ではなかろうか。
第2章 弱者のツール・山本一郎
――すなわち、ネット右翼はネット上で大きなうねりを起こしているように見えてしまうが、実際には個人個人は取るに足らない力しか持たない人々の集合体であり、それは彼ら自身のリアルでの能力の問題や日頃コミュニケーションを取る知人の少なさ、学識、地位といったものの低さから起因しているとも言える。
第3章 メディアの反日陰謀論・中川淳一郎
――ここまで“愛国者”が思うほどマスコミは高尚でもなければ、マジメに天下国家のことを考えているワケでもないことを説明してきたが、私は“愛国者”はこの数年間で勝利したと考える。理由は、企業もメディアも、韓国系の企画を躊躇するようになったからだ。
「韓流のドラマってCSだと1本1万円ってのもあるんです。韓国側もとにかく露出をさせたいから、価格については譲歩します。局側からすれば、ここまで安く時間を埋められるから願ったり叶ったり。視聴率もそこそこは取れるし」というテレビ関係者の言(本書)
文化の一翼を担うテレビというメディアが経済合理性だけで動いて、“韓国文化”を日本に浸透させるシカケにはまってしまっていいのか。在特会の過激な運動が、フジテレビを委縮させたのは事実であろう。
〈読後の一言〉
うちの職場にこういう男がいた。コンプレックスの塊のような男。先輩のアイデアを平気で盗み、みずからのオリジナルだと言い張る。隣の会社の社長に媚を売り、先輩の悪口を吹聴しまくる。その執拗さが鬱陶しいが、無視するしかない。たしか猿知恵のカンちゃんと呼ばれていた。それって…?
〈キーワード〉
韓国 反韓反日 韓流ドラマ
〈リンク〉
安田浩一▼ネットと愛国──在特会の「闇」を追いかけて
- 関連記事
-
- 丹羽宇一郎□北京烈日――中国で考えた国家ビジョン2050
- 安田浩一/山本一郎/中川淳一郎□ネット右翼の矛盾――憂国が招く「亡国」
- 大鹿靖明▼メルトダウン──ドキュメント福島第一原発事故
スポンサーサイト