FC2ブログ

池内 紀◆すごいトシヨリBOOK――トシをとると楽しみがふえる…………☆「楽しく老いる秘訣」とあるが、“秘訣”と言いつつ“自慢話”本である。知らんけど。

20180319

2018.03.19すごいトシヨリBOOK02


カテゴリ1では、忘れたということを忘れている「忘却忘却症」が現れます。〔…〕

 何をしようとしてるのか、一時的な記憶脱落じゃなくて、もう何をしようとしていたのかも思い出せないという、そういう状態で、カテゴリ1になると非常に単純化されます。

 記憶というのは人間には重荷ですから、それが脱落していくというのは、周囲とか当人の問題は別として、

それ自体は一種の恵みだと思います。


 思い出すことは、だいたい自分がミスしたり、人に迷惑をかけたり、辛かったことなど、否定的なことが多い。そういうものも忘れるわけだから、カテゴリ1の状態は、当人にとっては必ずしも不幸ではないはずです。


◆すごいトシヨリBOOK――トシをとると楽しみがふえる |池内紀|2017年8月|毎日新聞出版|ISBN:9784620324586|△

 著者池内紀(1940年~)が70歳になったとき、老いるという“未知の経験”を「これぞ年寄りの特徴」とか、気がついたことを記録する「自分の観察手帳」を作ったという。

2018.03.19すごいトシヨリBOOK3

 その「老化早見表」が、左の図。さて当方も著者と同年齢、ぱっと思いつきで1時間ほどで作ってみた。それが右の図。まず左図のカテゴリー3を見てみよう。

 ――老いの初期段階では、人の名前や固有名詞が浮かんでこない「失名症」や、人と話していると急に話を横から取っちゃって自分の話に持っていく「横取り症」が現れます。(本書)

 急がなくてもいいのにせかせか焦るのが「せかせか症」。思い当たるふしがある。これが進化すると「キレる」老人になる一因かも。だが、「同一志向症」、「整理整頓症」、自分の昔話をする時の「過去すり替え症」、電車に乗ってからどこに行くのだったか思いだせない「一時的語憶脱落症」など、未経験。

 ――「横取り症」がカテゴリ2に進むと、「ベラベラ症」になります。人の話を横取りした上に、ベラベラベラベラしゃべって、切り上げ時がわからなくなる。
「失名症」は「失語症」に進行します。「昨日食べた、あの……」って、普通名詞が出てこなくなる。ごくふつうの、日常のものなり言葉が出てこなくなります。
(本書)

 これも納得。だが、「整理整頓」と「同一志向」が発展しての「指図分裂症」や「過去すり替え症」が進行して「過去捏造症」はぴんと来ない。

 右図を見てみよう。

当方の経験と知人たちへの観察から、60代は「症状」とも言えないから「癖」、70代は明らかに「症状」、80代は未経験だから「状態」とした。

 還暦で定年退職すると、ついつい「肩書誇示癖」、わが一所懸命の半生は「間違いではなかった癖」がでる。これが本書の「過去すり替え症」「過去捏造症」のことかもしれない。

 同年代が集まると、重い病気ほど誇る「病気自慢癖」、陶芸、ゴルフ、ダンス、カラオケなど趣味や特技での「多忙自慢癖」、四国巡礼ならぬ野天風呂めぐり、バイクで岬めぐり、景観保存地区めぐり、ミュージアムめぐりなど、テーマの限定の「巡礼癖」。そのうち、ちょっと出かけるときに、ハンカチ、鍵、ケータイなど、必ずと言っていいほど「何か一つ忘れ癖」が出る。

 70代になると明らかに「症状」が現れる。本書の「横取り症」→「ベラベラ症」を当方は「すれ違い対話症」と名づける。同年代数人で居酒屋に集まったりするが、それぞれ勝手に言いたいことを言うだけで、対話、会話が成立しない。

「好嫌二分症」は、要するに嫌いなものは嫌いという当方の顕著な症状。枚挙にいとまがないが、例えば、NHK「ニュースウオッチ9」。大越健介+井上あさひはキャスターと呼ぶにふさわしい発言をしていて、お気に入りの番組だった。それが河野憲治+鈴木奈穂子になると河野の意味のないコメント、ニュースとニュースの間の単なる接続詞的発言に終始し、うんざり(鈴木はいま「ニュース7」で生き生きしている)。さらに有馬嘉男+桑子真帆になると、ニュースを報道するという「キリリ」とした雰囲気がなくなり、報道の選択や順位に疑問が多く(やたらに安倍の場面が長い)。で、見なくなった。テレビで嫌いなタレント、芸人が出てくればチャンネルを変えるが、これが増える一方である。

 同様に「権力嫌悪症」がある。姑息な安倍夫婦、菅隠蔽長官、悪だくみの官邸官僚など言うに及ばず。例えば、八角理事長、白鵬の大相撲協会の大きな身体で姑息な言動(当方は貴ノ花を応援しているわけではない)。大スポンサーの東芝を不法、不正、粉飾と言わず、「不適切な会計」と報じ続けたマスコミなど、嫌悪の例をあげればきりがない。

 80代の「日向ぼこ状態」は、当方の願望である。「末期高齢」が近づき、エンディング・ノートも完成近く、あとは椅子にすわりお日さんを浴びながら、目を細め、何を言われても頷くばかり、そいういう老人に(80代まで生きていれば)なりたい。そして通りすがりの人が気づけば、当人は息をしていない。

 それが本書では上掲のカテゴリー1「忘却忘却症」なのかもしれない。

 本書は、自分なりの「楽しく老いる秘訣」です、とあるが、当然のことながら老齢の著者も「ベラベラ症」であり、“秘訣”と言いつつ“自慢話”満載本である。知らんけど……。



関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント
プロフィール

koberandom

Author:koberandom



http://koberandom.o.oo7.jp/a-kensaku/index-zen-sakuin.html

Azensakuin_3

最新記事
カテゴリ
平成引用句辞典2013.02~
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR

Pagetop